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POSTED | 2019.04.28

CATEGORY | 掛け寝具

羽毛布団に穴が空いて羽毛が出ていたらリフォームにお任せください。

 

長年愛着を持って使用している羽毛布団。あなたは何年使われていますか?今回お持ちになったお客様は、記憶がハッキリしないそうですが15年位使われているそうです。羽毛布団に穴が空いて困っているのでリフォームの相談で来店くださいました。

 

応急処置は補修布をアイロンで

 何年か前にカバーを交換する時、羽毛がカバーの中に出ている事に気付いたそうです。よく見ると羽毛布団の衿もと部分が擦り切れて、そこから羽毛が出ていたとのこと。その時は布団についてきた「補修布」をアイロンで付けて穴を塞いだそうです。

その後も毎年穴が増えていって、その都度補修布を買ってきてはアイロンで塞いでいたそうですが、今回思い切って相談に来てくださいました。

 

穴が空いた原因は側生地の劣化です

お持ちになった羽毛布団を診断させていただくと、随分と側生地が硬くなっていました。

これは長年使用している時の寝汗の影響だと思われます。寝汗に含まれる皮脂の影響で側生地が硬くなって、一定以上になると側生地が裂けてしまう事が穴の空いた原因だと思われます。

布団を使われていたのはご主人で、奥さんにお聞きすると大層な汗っかきさんで、寝汗も結構かくというお話でした。補修布もたくさん付けてありましたが、側生地自体が劣化しているので補修布の接着状態も良くない感じでした。

当店に相談に来られる前に「布団の丸洗い」の相談をクリーニング店にした時は、補修布が剥がれるかもしれないと断られたそうです。

「布団丸洗い」のお手入れ方法は、その名前の通り布団をそのまま洗うわけですが、作業工程の中で布団に圧がかかります。その影響で補修布が剥がれたり、側生地自体が裂けたりする事が想定されると、丸洗いの機械で作業する事が出来ません。

お客様のお布団を痛めてしまっては大問題ですから、ここは慎重になるわけです。

 

側生地を交換して布団の中の羽毛を再利用

今回お持ちになった羽毛布団の場合、側生地を使い続けることは無理な状態でした。

補修布で修理している箇所も多く、その接着状態も悪かったのでそのまま布団丸洗いのお手入れもやはり無理な状態でした。

側生地全体の劣化(硬化)も進んでいたので、お手入れとしては側生地を交換する「羽毛ふとんリフォーム」になりました。「羽毛ふとんリフォーム」は「打ち直し・仕立て直し」といった言い方もされるお手入れ方法で、布団の中の羽毛を取り出して、洗浄後新しい側生地に詰め替える本格的なお手入れ方法です。

このお手入れ方法は側生地を新しいものと交換しますので、リフォーム後の見た目は新品の羽毛ふとんと同じような出来上がりになります。

ただ、布団の中に詰める羽毛は、お客様のお持ちになった布団に詰めてあった羽毛ですので、羽毛の状態次第では仕上がりに違いが出ます。

 

大事なリフォーム前の「羽毛の状態診断」

羽毛ふとんをリフォームされる場合、大切な事の一つに「羽毛の状態診断」があります。

これは布団の中の羽毛がどのような状態か、痛み具合はどの程度か、といったことを見極める事です。羽毛の状態をきちんと見極める事で、これからも冬掛けとして使っていけるか?保温力を補う「足し羽毛」は必要なのか?必要ないのか?といったことを判断します。

今回のお持ちになった羽毛ふとんの中身は、使われていた方が汗っかきということもあって、羽毛の損傷も進んでいました。大きかったはずの羽毛も千切れて、小さな羽毛になってるものが多かったです。さらに寝汗の影響で羽毛がちぢこまっている状態も目立ちました。

 

羽毛のパワーが復活する洗浄方法 

「羽毛の状態診断」と同様に、もう一つ大事なことに「羽毛の洗浄」があります。

これは羽毛ふとんリフォームの大事な工程で、古い羽毛ふとんに詰めてあった羽毛を洗浄することですが、この洗浄の方法によって仕上がりに大きな違いが出て来ます。

洗浄の方法は以下の方法があります。

  1. 1、洗浄ナシ
  2. 2、布団のまま洗浄
  3. 3、解体後取り出した羽毛を袋に入れて、まとめて洗い
  4. 4、解体後個別に直接洗浄(ロイヤルウォッシュ洗浄)

細かな説明は別のブログで書きますが番号が大きくなるほど洗浄力は大きくキレイに仕上がります。

志なのやでは「4」の解体後個別に直接羽毛を洗うロイヤルウォッシュ洗浄を行なっています。

この方法だと羽毛一個一個を洗うような洗浄方法なので、洗浄前と比べて最大33%もかさ高がアップするというデータも出ているほど、羽毛の汚れが落ちます。

 

まとめ

結果として、今回は羽毛の痛みが進んでいたので、ホワイトグース93%400dpの新しい羽毛を、全体の約3割に当たる400g足し羽毛してリフォームを行うことになりました。(側生地は綿100%60超長綿の生地をお選びになりました。)

リフォーム後の状態をみた私の感想ですが、長年の使用で千切れて小さくなっている羽毛も多かったので仕上がりの状態が若干心配だったのですが、ロイヤルウォッシュ洗浄のお陰で残っている羽毛のパワーも回復してかさ高も出ていました。

約3割は新しい羽毛になりましたが、残りの7割は元々の羽毛ですので、キチンとした洗浄を行うことが羽毛リフォームの仕上がりにとても重要なことだと実感しました。

リフォーム後の羽毛布団をご覧いただいて、お客様もとても満足していただけました。

長い文章になってしまいましたが、お使いの羽毛布団のお手入れ方法(丸洗いやリフォーム)でお悩みのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。お役に立てれば幸いです。

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