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POSTED | 2020.10.24

CATEGORY | 掛け寝具

羽毛布団のリフォームは難しい・・・

今回は若干愚痴になってしまいます。

ブログに書くか悩んだんですが、自分自身への教訓とするためにも書くことにしました。

 

内容はタイトルの通り「羽毛布団のリフォームは難しい」という事です。

 

この「難しい」というのは、今回のブログでは技術的なことではなくて、「セールス」とか「受注」に関してのことです。

 

「羽毛布団のリフォーム」というのはブログを読んでくださっている方は知っていると思いますが、古くなった羽毛布団の中に詰めてある「羽毛」を洗浄して、新しい側生地に詰め替えて作り直すお手入れ方法です。

ですので古くなった羽毛布団の状態によっては、リフォームにかかる金額が大きく違ってくる商品になります。

 

志なのやではシングルサイズで「19,800円税別」から承っていて、新しくされる側生地や補充する新しい羽毛の量で金額は変わっていきます。

 

お客さんの中には19,800円税別のリフォームで満足される方もいれば、元々高品質の羽毛布団をお使いだった方などは、元の布団に近い仕上がりを望まれる方が多く、そういった場合は側生地もしなやかな高品質のものになって、保温力を戻すための補充羽毛も量が多くなったりして、結果的にリフォーム金額は高いものになりがちです。

 

ただ、私としては常日頃から、「羽毛の傷み具合は正確にお伝えする」「むやみやたらに高いリフォームを薦めない」「きちんと羽毛布団の状態を診断して、その上でどなたが今後使われるかお聞きした上で、最適なリフォームを提案する」ということを心掛けて羽毛布団のリフォームを承っています。

 

そんな信条で取り組んでいる羽毛布団のリフォームなんですが、先日ショックな出来事があったんで今回はそのことを書かせていただきます。

 

電話をいただいて伺ったんですが、リフォームを希望された羽毛布団は20年以上は使っていたとおっしゃる布団でした。(買われた時は結構な金額がしたともおっしゃっていました。)

広げてみた瞬間に側生地の上からも羽毛のくたびれ具合は確認できましたので、お手入れとしてはリフォームが必要な状態でした。

 

詳しい診断のために布団の中から羽毛を取り出したところ、やはり長年の使用で羽毛の傷みも進んでいました。傷みが進んでいる状態の羽毛は、そのまま洗浄しただけでは保温力が戻りませんので、保温力を戻すためには何割かの羽毛の入れ替えが必要になります。

もちろん新しい羽毛の入れ替えを行わないで、元々の羽毛だけを使ってリフォームを行うことも可能です。今までのものが暑すぎると感じていたり、リフォーム後はお客様用に使う予定などの場合はそれでもいいかと思います。

 

羽毛の入れ替え(補充羽毛)の有無で金額も変わってきますので、リフォームをお預かりする時は、今までの使用状況やリフォーム後の使用予定などもお聞きすることが大事になります。

 

今回のお客様は、「ここ数年あたたかさが物足りなくなっていた。」「リフォーム後もご夫婦がそれぞれ使う予定」とのことでしたので、羽毛の傷み具合や今後の使用状況などを勘案して「保温力アップ分の羽毛の入れ替え」を提案しました。

側生地に関しては今までと同程度とのご希望でしたので、それに見合った生地見本を数タイプご覧いただいて、実際に風合いを触っていただきながら、それぞれのリフォーム金額の見積りの説明を聞いていただきました。

 

ただ、今回のリフォームに関しては、元々の高品質な布団に近い状態にリフォームすることをご希望でしたので、金額はリフォームとしては高い価格になりました。

もちろんその金額で今お使いの羽毛布団と同品質の新品が買えるかというと、それは買えないわけですが、そうはいってもそこそこの新品の羽毛布団は余裕で買える金額ではありました。

 

当然、新品の羽毛布団は100%新しい羽毛が使われています。今回のリフォーム後の羽毛布団はいくら新しい羽毛を入れ替える(補充する)といっても、7割以上は今までの羽毛を使うわけです。

そういったことを考えると何が何でも高い金額でリフォームをするよりも、この機会に新しい羽毛布団に買い替えるといったことも選択肢の一つです。

ただ、ここが販売する立場としては難しいところで、良かれと思って買い替えをお薦めしても、それが逆に「点検商法」などの悪徳商法に誤解されかねないところです。

 

悪徳業者が「無料で点検します」といって高齢者の方などのお宅に訪問して、屋根や外壁や排水管、中には布団などを販売する業者が問題になりました。

そんなこともあるので、いくら地元で店舗を構えて商いをしている私共としても、誤解を招くようなセールスは迂闊には出来ないこともあって、新品の羽毛布団への買い替えのご提案は慎重な感じになってしまうのが正直なところです。

それと今回のお客様に関しては、今までお使いのお布団への思い入れも強くお持ちだったこともあって、新品への買い替えは考えていないとハッキリとお答えを下さいました。

 

そういった流れがあって今回は高品質な側生地を使った、羽毛の入れ替えもおこなう結構こだわった仕上がりの羽毛布団リフォームでご注文をいただきました。

もちろん金額もそれなりの金額になったわけですが、ご納得の上でのご注文でした。少なくとも私自身は精一杯のご説明をして、お客様のご要望もお聞きした上で、双方納得した上での商いだったと思っていました。

・・・そのはずでした。そのはずだったんですが、その後、注文いただいた羽毛布団のリフォームが仕上がって、意気揚々とお届けに伺った私にショックなことが待ち受けていました。

 

お届けに伺った私にご主人が一言、「いや~この金額だったら新しいの買えたね」「イ〇ンでこのくらいの値段の布団売ってたよ」と、これ以外にもちょっとここでは書けないような言葉もいただきました。

 

リフォームで仕上がった布団もまだ見ていただく前でしたから、ガ~~~ン!といった感じで、滅茶苦茶ショックを受けました。

 

リフォーム後の羽毛布団を使った後の感想でしたらそれは私の責任ですので、ご意見やご不満な点は率直にお聞きするのは当たり前なんですが、まだ使ってもいない、届けたばかりで布団も見ていない状態での出来事だったので、一瞬何を言われているのか理解できないほどでした。

 

リフォーム前のお布団をお預かりする時に、手頃な金額のリフォームのご提案をした事も、この金額なら新しい羽毛布団が買えるとお話した事も、いろいろと説明したことが全くなかったことになっているんです。

これには正直唖然としてしまって、どう対応していいのか分からなくなりました。気を取り直して説明をしてみたものの、会話が噛み合うことはありませんでした。

一通り説明させていただいても納得をいただけないようでしたので、一旦その日は帰らせていただいて後日精一杯の対応をさせていただきました。

 

具体的な対応の内容は今回は控えますが、長く使っていただくものですので、少しでも満足していただけるような対応をさせていただきました。

 

長々と今回は愚痴のような事をブログに書いてしまいましたが、これは決してお客様への悪口ではなくて、自分自身への戒め、教訓として、書きました。

 

「リフォーム」という商品は、完成した後の形がない状態で契約していただくものなので、より詳しく説明しないといけないという事。

 

お客様は私どもの説明を取り違えている場合があるので、説明をする時は分かり易い言葉を使って確認しながら言わないといけないという事。

 

ある程度の金額を超えてリフォーム価格が高くなった場合は、後々でお客様が後悔をされないように、丁寧に新しい羽毛布団のご紹介をして買い替えのご提案をする事。

 

以上のことを今後は肝に銘じて羽毛布団のリフォームを承っていこうと思いました。

私自身の説明不足、それにセールスの力量不足が原因でお客様に不快な思いをさせてしまったと、今回の事で深く反省いたしました。今後はこのようなことが起きないように気を付けていきたいと思った出来事でした。

 

(ただそうはいっても、「そりゃないよ~~~」「説明しましたよ~~~」と心の中で叫んでいた気持ちを、少しは誰かに知っていただきたいというのが本心でブログに書いてしまいました。おしまい)

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