プロが見積り!高級な羽毛布団の仕立て直しの値段は10万円以上

♪夏も近づく八十八夜♬と歌われる季節、世間はゴールデンウィークの真っ最中。

私もホントはアウトドア派なんで、長〜いキャンプに行きたいと妄想してます。

あ〜自然の中で、ボーッとしたい。焚き火をみて、ボーッとしたい。

 

そんな休日モードの5月は、お布団も衣替えの時期になりますね。

 

お客様から布団のお手入れの相談電話がありました。

 

お客さん「シルクの布団だけど、洗えますか?」

私   「シルクなのは、布団側の生地ですか?それとも中身もシルクですか?」

 

お客さん「ん〜多分、側生地だけかな???でもよく分からんわ。」

私   「そうですか。側生地も中身もシルクだと、以前は洗えなかったんですが、今は洗えるようになったんですよ。」

 

お客さん「よかった〜!!でも、いくら掛かんの?」

私   「他の布団とは違う洗い方なんで、料金が結構掛かりますよ。」

 

お客さん「エッ!!そうなの・・・」

私   「そうですね。布団を見せてもらわない事にはハッキリとした事は分からないので、よかったら一度お店に持って来てみてください。」

 

そんな電話があった一時間後、お客さんが布団を持って来店くださいました。

 

布団を見せていただいた結果、お客さんの布団は・・・羽毛布団でした(笑)。

 

ただ、お客さんがシルクと間違った理由も予想出来ました。

 

お持ちになった羽毛布団、国内大手寝具メーカーの定価50万円(税別)の品物だったんです!!

 

なんで定価が分かるかというと、メーカーによってはラベルに定価や製造年月を記号で記入している場合があるんです。

 

で、定価50万円の羽毛布団だったんで、側生地がメチャクチャしなやかだったんですね。

それで、お客様がシルク=絹と間違えたか、買われる時にお店の人から「シルクのようなしなやかな肌触りですよ」といったセールストークをされたかして、てっきりシルク(絹)と思い込んでおられたようでした。

 

品物が何かは分かったんで、診断となりました。

 

  • 品物は、定価50万円の高級羽毛布団。
  • 購入されてから約20年。
  • 今まで一度も丸洗いはしたことがない。
  • 使用されていたのは旦那様。

 

布団を広げて確認させていただいたら、男性が使われていた事の大きな特徴の一つ、「衿もとの側生地の劣化」が目立ちました。

 

羽毛布団の劣化した衿元

茶色く変色して、側生地自体も固くなって来ていました。

 

このままだと、あと1年位の使用で側生地が裂けそうでしたし、もしかしたら丸洗いの工程中に裂ける可能性も考えられました。

 

「使用年数からみても、そろそろ本格的なお手入れ(仕立て直し)の方がいいですよ。」とお話をさせていただきました。

 

お客さんも衿元の黄ばみは気になっていたようで、本格的なお手入れ(仕立て直し)をしていただく事になりました。

 

詳しい診断にあたって、側生地を解いて中身(ダウン)を専用の機械で吸い出して、確認させていただきました。

羽毛診断

「羽毛診断のイメージ画像です。こんな感じで中身を吸い出して診断します。」

 

中身を診断した結果は、20年使っていても中身のダウン(羽毛)は比較的大きな原状を残していました。

 

正直、男性が20年使われた品物にしては、状態のいいお布団でした。

「良い品物は長く使える」というモデルのようなケースでした。

 

しっかりと親鳥まで育てたグースから、丁寧に採取した胸の毛をきれいに洗浄して充填していた為に、長年の使用でも損傷が少なかったんだと思います。

 

ただ、仕立て直しとなると、今までの布団から中身を取り出して、洗浄、そして傷んだ羽毛を選別して新しい側生地に入れ替えますので、その工程だけでも約一割ほど中身が減ってしまいます。

損傷した羽毛を取り除くと更に目減りしてしまいます。

 

ざっと大まかな仕立て直しの見積りをしました。

 

  • お持ちの商品と同じ風合いの側生地を使用するとなると、その分だけで仕立て直し料金が10万円(税別)を超える事。《新しい側生地は、綿50%指定外繊維(リヨセル)50%の側生地を使用。キルティングも特殊完全立体羽毛片寄り防止キルトを施した側生地です。側生地の他に洗浄・選別・充填加工代を含みます。》
  • ラベル通りの目方の仕立て上がりにするには、約150〜200gの足し羽毛が必要なこと。
  • そもそもの商品が高品質の羽毛で作られた商品なので、同程度の羽毛を足し羽毛するとなると、その分だけでも結構な金額になること。《ポーリッシュマザーホワイトグース95%の原毛を200g補充で3万円(税別)です。》

以上の3点が見積りのポイントになりました。金額で言うと合計で13万円(税別)を超える金額になります。

 

仕立て直しで10万を超える金額は、正直、悩むところです。

 

ただ、今までしなやかな側生地に慣れていた方は、ランクを落として側生地を選ぶと、後で生地の風合いやガサツキが気になる場合が多いです。

 

足し羽毛にしても、元々羽毛の品質を重視して高品質の羽毛が入った商品を選ばれていたわけですので、同程度の品質の羽毛を足し羽毛される事をご提案しました。

 

今回のお客様は

  • この商品を使っていて、大変満足していた。
  • 出来るなら、今までと同じような感じに直したい。
  • 安い品物を買い替えるなら、仕立て直しにお金をかけたい。
  • いい品物だから、直すにもある程度金額が掛かることは理解出来る。

 

ということで、13万以上を掛けて仕立て直しをしてくださる事になりました。

 

ここで誤解しないでいただきたいのは、毎回仕立て直しにこんなにお金が掛かる訳ではありません。

あくまでも、元々の商品の品質が高いものだったので、それに合わせた結果の金額です。

 

ですので、逆に元々の商品がそこまでの品質でなかった場合は、同じ金額を使っていただいても良い布団には仕上がりませんので、お金が無駄になるだけになってしまいます。

 

「今回のポイント」

  • 素材の分からない布団のお手入れに悩んだら、先ずは専門のふとん屋へ相談。
  • 羽毛布団の側生地が黄色く固くなったら、裂ける場合がある。
  • 生地が裂けそうな場合は丸洗いのお手入れではなく、仕立て直しの方がいい。
  • 高品質な羽毛布団は長く使っても羽毛の傷みは少ない。
  • 高品質な羽毛布団の仕立て直しは、10万円を超えることもある。