「羽毛布団打ち直し」って、ふとんをお手入れする必要あるの?

「春なのに〜♪お別れですね〜♬ 春なのに〜涙〜があふれます♪」って歌を思わず口ずさんでしまう春・・・春は別れと出会いの季節、ちょっぴりこの頃センチメンタルな私ですが、

気温がだんだん温かくなってくると、布団、特に冬掛けの厚い布団とはお別れの季節ですね。

 

冬掛けって皆さん何を使われていますか?

 

“何を”って、布団の中の素材のことです。

 

  • 木綿わた?
  • 化繊わた?
  • 羽毛?
  • なんだかわからない???

 

冬掛けの布団で結構多いのは、やっぱり『羽毛布団』だと思います。

・・・違っていたらごめんなさい。

 

ただ、以前に寝具業界の新聞で「羽毛布団の普及率は100%を超えた」という記事を読んだことがあるので、今の日本のほとんどの家庭では使われているようです。(たぶんですが)

 

この羽毛布団、今から30年程前までは私の住んでいる新潟県では、まだまだ出回り始めたばかりでした。

 

当時は木綿わたの布団を使っている家庭が一般的でしたので、羽毛布団は「軽くてあったかい」という性能が受けて皆さん買われていました。

 

ただその頃の販売方法に問題がありました。

 

今、問題になっている悪徳販売とは違うんですが、ただただ業界が未熟でした。

 

無知だったといってもいいと思いますが、販売を始めたばかりの商品だったので、業界全体がヘンテコなセールストークで販売していました。

 

どんなセールストークかというと、・・・それは

  • 「羽毛布団はお手入れいらず」
  • 「羽毛布団は一生ものです」
  • 「冬温かくて、夏涼しいです」

 

・・・なんていうセールストークで販売されていました。

 

(これ私が寝具業界に入ったばかりの新人の頃に、有名メーカーの販売のプロから直接教わったセールストークです。ただ、けっして悪気があったわけではなくて、純粋にそう思っていたんだと思います。当時は。)

 

どんな意味で言っていたかと言うと、

 

「羽毛布団はお手入れいらず」・・・木綿わたの布団みたいに「打ち直し」しないでいいですよ。

 

「羽毛布団は一生ものです」・・・ずっと傷まないので一度買えば死ぬまで使えますよ。

 

「冬温かくて、夏涼しいです」・・・言葉の通りです。夏、涼しいって、もうメチャクチャ

 

 

今思うと、この頃のセールストークが後々影響して、『羽毛布団はお手入れをしないもの』という都市伝説みたいな考えが広まったのかなぁと思います。

 

 

昔の木綿わたが主流の時代は、「掛け布団は5年、敷き布団は3年」を目安に「打ち直し」っていうお手入れ方法を皆さんされてましたし、その間の期間も定期的に天日干しをして布団の中の湿気対策をしていました。

 

でも、『羽毛布団はお手入れいらず』という甘い言葉を信じて、羽毛布団はカバーを洗ったり、時たま干すくらいで根本的なお手入れをしない人が今でも案外多いんです。

 

その結果、15年、20年と使った羽毛布団を見てみると、ペッチャンコになっていたり側生地が破れて羽毛(ダウン)が出ていたりと、悲惨な状態になってるものが多くあります。

 

 

数年前からメーカーも我々寝具専門店も認識を改めて、定期的な羽毛布団のお手入れをお薦めしています。

 

やっぱり使えば傷みます。羽毛布団も万能ではありません。まして天然素材ですので尚更お手入れは必要です。

 

では、羽毛布団にはどんなお手入れ方法があるのか?簡単に説明します。

 

普段使用中は「風にあてて湿気対策」時たま「短時間の天日干し」です。

天日にあてなくても羽毛(ダウン)には湿気を放湿する力があるので、陰干しで十分です。室内ならソファーやイスにかけたりして、風が通るような空間を意識してもらうといいです。

でも、やっぱり天日に干したい、という人は月に1〜2回、片面1時間くらいで午前10時〜午後3時くらいの間に干すのがいいです。その時はカバーを掛けたままの方が側生地を傷めなくていいです。(その間にカバーを洗いたい、という場合には、今は天日干し用のカバーが販売されていますので、利用されるのがお薦めです。)

羽毛布団部屋干し

 

購入されてから2〜3年毎に行なうお手入れは、「ふとん丸洗い」です。

カバーを掛けて使うのが基本ですが、カバーを突き抜けて(浸透して)汗は布団に届いています。汗に含まれる脂質、尿素やアンモニア、それに古い角質細胞が原因で羽毛が縮んでしまいます。

その汚れを定期的に洗い落とすことが、羽毛布団のお手入れの基本です。

洗濯機イメージ

 

購入してから8〜10年以上経ったお手入れは、「仕立て直し(リフォーム)」です。

定期的にふとん丸洗いをしていても年数が経つと、側生地が劣化したり、中の羽毛(ダウン)が劣化したりしますので、側生地の交換と中の羽毛(ダウン)の洗浄と入れ替えが必要になります。

この方法が「リフォーム」「打ち直し」などと呼ばれている、本格的なお手入れ方法になります。

羽毛吹き込み

 

その他に応急処置のお手入れとして、「部分足し」があります。

「仕立て直し」まではいいけど、衿元や足元がヘタってる(膨らみがない)場合に、その部分だけに新しい羽毛(ダウン)を補充する方法です。

衿元や足元の羽毛のヘタリは何か原因がありますので(羽毛の劣化や移動)、あくまでも応急処置のお手入れと思ってください。

 

お手入れの相談はやっぱり寝具専門店へ

 

数年前と違って、今は寝具専門店以外でもいろんなところで羽毛布団のお手入れ(丸洗いや仕立て直し)を受け付けています。

 

ただ丸洗いも専門の所に出さないと、側生地の劣化や中の羽毛(ダウン)の劣化を進めてしまいます。

 

それ以上に、羽毛布団の仕立て直しはきちんと中の羽毛(ダウン)の状態を診断しないことには的確な判断が出来ません。

羽毛診断

それには中の羽毛(ダウン)を直接見ないことには判断が絶対に出来ませんので、確認の出来る専用の機械と専門の知識を持った寝具専門店に出されることをお薦めします。

 

 

・今回のまとめ

「羽毛布団はお手入れいらず」というのは間違いです。羽毛布団も定期的なお手入れが必要なお布団です。暖かくなってお布団を仕舞う時期がお手入れには最適な時期です。

お手入れ方法も年数や傷み具合でいろいろとありますので、お気軽にご相談ください。